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シャツの起原

ワイシャツのフロントボタンの一番下に、普段使わないボタンが付いています。ボタンを無くしてしまった時の替えボタンなのですが、なぜこの位置についているか存知ですか?(シャツによっては、付いてなかったり、別の位置についている物もあります。)

 

その理由をシャツの起源から説明させて頂きます。

 

シャツの起源を調べると、古代ローマで着用されていたチュニックまで遡ります。チュニックとは、映画「ベンハー」や「テルマエ・ロマエ」で見られるような頭から被る、現代で言うワンピースのような形状の衣服です。

それがだんだんと変化してヨーロッパ中世期には、ボタンや襟・袖口などが付加されるようになり、現代のシャツの形状に近づいてきました。

 

当時、シャツを着用できるのは上流階級に限られていたとされていて、シャツの前立ての男女差(男子用は右前、女子用は左前の別)も、この時期に由来すると考えられています。そのころ女性で釦のついた服を着ることが出来るのは、かなり高貴な身分の方だったようです。したがって服を着るときは召使の人が服を着せてくれるわけで、他人の服の釦を留めるときには右側が上前になったほうが止めやすかったという事です。

 

ルネサンス期になるとシャツの装飾化(フリルやスリットで装飾したシャツ)が貴族階級の間で流行しました。

その後、シャツは簡素化への道を進み始めフリル等の装飾は次第に姿を消しました。19世紀には現代シャツの形式がほぼ確立し、シャツは上流階級だけでなく広く民衆が着用する衣服として定着していきました。

 

シャツのボトムライン(裾の形)は衣類の歴史と深い関係があります。現在では信じられないような事ですが、1935年にブリーフが発明されるまでヨーロッパ男性にとってシャツは唯一の下着で、シャツとズボンを素肌の上に直接着用していたのです。

その為、シャツの裾が下をくるむ役目を果たしていて、シャツの裾が半円形(弓型)になっていました。これは、サイドにも生地があるとズボンに入れた時にごわつく為、「前後だけ長く」したと思われます。

また、後身頃が前身頃より長いシャツや、後身頃の裾の中央から長いタブがついていて、前身頃に下から廻してボタン止めするようになっていたシャツもありました。 こうすることで、下をしっかりと覆え、さらにシャツの 「ずり上がり」 も防げるようになっていたのです。

 

説明が長くなりましたが、シャツを下着として着ていた頃の名残で、フロントボタンの一番下に替えボタンが付いています。